昨年、私の事務所へ桑野地区の方がお見えになり、「リブアーチ型石橋」についてのお話を聞きました。県へもご相談に行かれていたようで、私も県の担当者からお話を聞いており、いただいたお写真から状況が分かり、県へ働きかけを行って参りました。
その後、桑野地区在住の方や嘉麻市の教育委員会生涯学習課とお話をさせていただき、状況を伺いました。嘉麻市の方向性としては、「文化財として調査する」とのことでしたので、私もご協力をさせて頂き、先月下旬、教育委員会生涯学習課より「嘉麻市桑野地区所在のリブアーチ型石橋の総合評価と保存活用方針が決まりました。」とのご連絡を受け、資料を頂きました。
資料には調査した熊本大学の専門家より「遠賀川上流域のリブアーチ型橋群の中で、唯一現存する掛橋の石橋は、桑野地区の有する地理的、物質的条件が生み出した文化遺産であり、その独自性において県内でも稀有で非常に価値のある土木遺産であると言える。」との評価がされていました。
また、12月1日付けの西日本新聞の朝刊には嘉麻市が来年度内に指定文化財登録を目指す記事が掲載されていました。現在石橋は、管理者がおらず、劣化も進行しているため、今後、県と市での協議が進められる予定ともなっています。来年度内の指定文化遺産認定へ向けて引き続き注視して参ります。
嘉麻市桑野地区所在のリブアーチ型石橋とは
昨年、朝倉市の高校生が「朝倉地域に隣接する、人目の付かない地にひっそりとたたずむ「幻の石橋」の歴史解明に情熱を注いでいる」という記事が朝刊に掲載されました。石橋は嘉麻市桑野を流れる遠賀川に架設されており、これまで地図にも掲載がなく、地元でも知る人は少ない。
嘉麻市の教育委員会生涯学習課も調査を開始し、熊本大学の専門家と文献調査や現地調査を重ね、幕末ごろに完成し、主にハゼの生産のための能動として使われていたとみられている。橋長7.6m、スパン(架構支店同士の距離)6.7m、ライズ(水平面からの高さ)1.4m、幅員1.8m(中央部)、1.5m(両端部)。全国的にも珍しい石材を縦向きに組む「リブアーチ型」と呼ばれる工法で作られている。現在は、安全性を確保するため、立ち入りはできない。(嘉麻市より提供していただいた資料参照)