令和3年2月予算特別委員会にて質問に立ちました②

【質問内容】

水害時における県営住宅の活用について

★本県では、近年、頻発する大雨により、平成29年7月九州北部豪雨以来、

毎年のように甚大な被害が発生している。特に久留米市など筑後川流域の地域は、

4年連続で水害にあっており、私の地元である嘉麻市では、市のハザードマップ

において、遠賀川をはじめとする河川地域の洪水浸水想定区域が公表され、

災害時の避難場所の指定や防災知識の普及啓発などの防災対策が実施されている。

このように、各市町村では、住民が水害の危険から逃れ、命を守るために避難する

施設や場所を定めており、県はそれを支援するため、県立学校の体育館などの

県有施設を避難所として提供していると聞いている。

県内各地には、県営住宅が整備されており、多くの県民の方が生活を営んで

おられるが、私は今回、この県営住宅を水害時の避難施設として活用すること

について伺う。

 

問①県営住宅では、水害が発生し、又は発生するおそれが高まった場合には、

入居者の方々は、どこに避難することになるのか。

また、近年水害が頻発する中、県営住宅では、どのような対策を行って

いるのか。

答①・県営住宅の入居者の方々には、水害時には、市町村が指定する最寄りの

避難場所へ避難していただくことになっている。

・県では、県営住宅の入居者の方々に円滑かつ適切に避難していただくため、

入居者向けの広報誌(県営住宅だより)で災害時の避難場所、避難経路の

確認を事前に行っていただくよう周知を行っている。また、県営住宅の建 

替えの際には、低層住宅を中高層住宅に建て替えることにより、水害時

は上層階に避難できるようにしたり、避難所になることもある集会所を

盤のかさ上げをして建設したりするなどの対策をとっている。

 

問②近年の大雨による水害では、短期間で水かさが増し、避難する時間的余裕が

ない場合や夜間に避難する必要が生じる場合があり、市町村が指定する最寄

りの避難場所まで移動することが困難になることも考えられる。

このような状況においては、同じ建物や近隣の建物の上層に避難する垂直避

難の方が有効と考えられる。

先ほどの答弁で、県営住宅の建替えの際には、上層階への避難ができるよう

に、中高層住宅にしているということであった。

実際に、我が会派の原口剣生県議会議員の御尽力により、久留米市内の県営

住宅で垂直避難先として活用された例があると伺っているが、具体的にはど

のようなものであるか。

答②・建物の上層階を避難先として活用した県営住宅は、久留米市の筑後川と宝

満川の二つの河川に囲まれた洪水浸水想定区域内に位置するが、過去の大

雨の時に、周辺道路が冠水し、避難場所に行けなくなったことがある団地

である。

・このため、団地自治体から県営住宅の上層階の空き住戸を水害時の避難先

として利用したいという要望があった。

・この要望を受けて、県では、当該県営住宅の管理上支障のない上層階の空

住戸を団地自治会に対して無償で貸して、水害が発生し、又は発生する

おそれがあるときには、一時的な非難場所として利用していただくことと

した。

・実際に、令和2年7月豪雨の時には、入居者の方が当該空き住戸に避難し、

用されたところである。

 

問③久留米市の事例は、水害時に床上するまで浸水することが想定される区域、

すなわち洪水浸水想定区域内にある県営住宅ということであったが、

そのような県営住宅はどのくらいあるのか、また、その中で、垂直避難先

として活用できるものは、どのくらいあるのか。

答③・床上浸水に相当する浸水の深さとしては、50㎝以上と考えられるが、

そのような区域に立地している県営住宅は63団地あり、上層階を一時的

な避難先として活用できる3階建て以上の中層住棟を有するものは、

61団地ある。

 

問④県営住宅を水害時の垂直避難先として活用できるのであれば、県営住宅の

入居者だけではなく、近隣の住民の一時的な避難先としても活用できれば

非常に良い、特に高齢者の方で足腰の弱い方にとっては大変良いことだと

考えるが、それは可能か。

答④・入居者だけでなく、近隣住民も含めて、水害時の緊急かつ一時的な避難先

として、県営住宅を活用することは可能である。委員御指摘のとおり、近くの

建物に避難できれば、徳に高齢者の方にとって大変良いと考える。

 

問⑤ぜひ、近隣の住民も含めて、県営住宅を水害時の一時的な避難先として活用

すべきと思うが、県はどのように考えているのか。

答⑤・県としても、県営住宅の上層階を、入居者及び近隣住民の水害時の緊急かつ

一時的な避難先として活用できるようにしたいと考えており、現在、その仕組みを

検討しているところである。

 

問⑥どのような仕組みを検討しているのか。

答⑥・県と県営住宅を水害時の一時的な避難先として活用したいという市町村

との間で協定を結び(嘉麻市は令和3年6月7日協定締結)、その県営住宅を近隣

住民の一時的な避難先として位置付ける。そして、市町村からその団地や

近隣の自治会等に対し、そのことを周知していただき、希望する自治会等

から県に申し出があれば、上層階の空き住戸の鍵を貸し出し、緊急かつ

一時的な避難先として活用していただくような仕組みを考えているところ

である。

 

問⑦県としても具体的な検討を行っているということで安心したが、本県は毎年

大雨による水害が発生しおり、これは県民の命に係る問題である。ぜひとも

早期に、できれば今年の出水期に間に合うように、仕組みづくりを進めて

いただきたい。

県民の安全・安心を確保するため、この取組を1日でも早く実現してほしい

と思うので、最後に部長の決意をお聞きする。

答⑦・近年、大雨による水害が頻発しており、不安を抱える県民の方々も多いと

考えている。

・県民の安全・安心を確保するため、水害時の避難先を確保することは、

非常に重要だと認識している。

水害時における緊急かつ一時的な避難先として、県営住宅を活用することは、

県民の皆様の安全・安心につながるものであり、早期に実施できるよう進めて

いきたい。また、市町村営住宅でも同様の取組を行うことができるよう情報

提供や助言を行うなど、市町村と連携・協力をして、県民の安全・安心のた

め、しっかりと取り組んでいく。

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